ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
裏を見て「おいしい」を買う習慣/岩城紀子
“「ふだん、自社のものを食べますか?」と聞くと「いやいや、ふだんは絶対に食べませんよ、こんなものは」と言うのです。もちろん全部が全部ではありません。でも、「自社製品を食べたくない」という人がこんなにもいるという事実は、私の食への信頼感を根底から覆すものでした”
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
編めば編むほどわたしはわたしになっていった/三國万里子
“息子は不憫だろうか?どうだろう。アレルギーだということがわかったとき嘆いている暇はなかった””たとえば冬のカブをオリーブオイルで焼いて、粗塩を振ったものが好物で、焼き立てを出してやるとほおばって恍惚とする”
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
餃子のおんがえし/じろまるいずみ
“もうずいぶん若い時のことだ。その店もとうにない。しかし餃子はその後、何度となく私の人生に現れ「あのとき助けていただいた餃子です」とばかりに、私を助けてくれるようになった”
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
くもをさがす/西加奈子
“がんの治療を始める前、私もたくさんの人を追い越していた。追い越していた人の中には、今の私のように、歩く方が速いのじゃないかと思うランナーもいた。もしかしたら彼女たちも抗がん剤治療中だったのかもしれない。そして私に追い越されるたびに、この寂しさを感じていたのかもしれない。”
”こんなに弱っている自分の体を、内側からみつめることが出来るのは、私だけなのだ“
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古くてあたらしい仕事/島田潤一郎
“よい本を読んだあとは、物事が以前よりクリアに見える。その著者の言葉がまだしっかりと頭に残っているから、それらでもって、自分の身の回りのことや、これまで思い悩んできたことを相対化するのだ。もちろん、しばらくすれば、そのほとんどは頭からすっぽりと抜け落ちて、いつもの平凡な自分に戻る。けれど、澱のように何かは残っている。その何かを手がかりにして、前へ進む。”
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自然農1年生〜畑は私の魔法のじゅうたん/銀色夏生
”やっぱりなぁ。ものごとってなんでも自分の接し方に反応して、返ってくるのだ。こちらから出したものに反応する。出したものの応えが返ってくる。手紙の返事が届くように。やさしく、丁寧に、思いを込めると、あんなふうになるんだなあと思った“
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
nekomura-benzodanyaku.hatenablog.com